ダンボールの欧米における歴史

前回の記事で、1856年に英国でダンボールシートが考案されたことは述べました。

1856年以降1871年まで間、欧州では普仏戦争(プロシアvsフランス)戦争、米国では南北戦争の勃発などで、激動の世界史を繰り広げていました。そうした中、日用品をはじめ戦争道具や備品の輸送にダンボールシートは持ってこいの包装材でした。

1882年米国で米人R・H・トンプソンが考案した両面裏地のダンボールシートは画期的で見栄えも悪くなく、強度が確保されていました。これでダンボール箱の下地が出来たといっても過言ではありません。当時の米国は折からの西部開拓の最中にあたり、東海岸から中西部、更に西海岸地区へと人々が移動します。すると当然のことながらモノの移動が伴い、ダンボールシートの活躍の場が広がります。

この画期的な考案による両面裏地のダンボールシートは、1894年にシートに溝切り加工をして断裁を施したダンボール箱が世界で初めて生産されます。翌1895年には、米国カルフォルニア州のウェルズ・ファーゴ銀行が小口貨物の輸送用の荷造りに、世界で初めてダンボール箱が使用されました。ダンボール箱の業務使用の世界史的幕開けとなります。

かくしてダンボールは1895年以降、それまで木枠箱の代替物として、はるかに軽量で経済的な梱包材として、大量生産の国である米国で発展しました。当時あたかも米国は、1895年のハワイ王国の併合や、1987年の米西戦争など対外侵略の帝国主義の初期段階にありました。米国はさらに西へと移動。そして1905年の日露戦争終結まで、キューバ、プエルトリコなどカリブ諸島から、果ては太平洋諸島にまで進出。フィリピン群島からグアム島に至るまで領土拡大の進撃は収まりません。スペインとの戦争をはじめ、これらの領土拡張の過程で、あらゆる物資の輸送にダンボール箱の需要は広まります。この戦争と対外侵略が、米国におけるダンボール箱大量生産の発展の原動力になりました。これは、我が国日本においても例外ではありません。